2010年 5月 20日 木曜日
頸部の動きには、屈曲(顎を胸につける)、伸展(顎を天井へ突き上げる)、側屈(首を左右に傾ける)、回旋(首を左右に捻る)の動作があります。
下記にその動かし方(関節可動域練習)を簡単にご紹介いたします。
①頸部屈曲
両手の手のひらを患者様の後頭部へあて、首の弯曲に添って軽く持ち上げます。手のひらで後頭部を持つようにして患者様の後頭部を支え、お臍をのぞかせるように顎をひく手助けをします。
②頸部伸展
両手の手のひらを患者様の後頭部へあて、首の弯曲に添って軽く持ち上げます。首の弯曲にそりながら指先で頸部の後方より自分(セラピスト)側へ引き込み、ちょうど気道確保のような姿勢となります。
③頸部側屈
左側屈の場合(左上の写真)は、左手は後頭部を優しく把持し支える。次に右手は肩(肩峰)を軽く押さえます(赤矢印)。右上肢は肩(肩峰)を腕の方へ押し下げながら、左手で頸部を左へ倒していきます(青矢印)。
右側屈は、上記動作の手を逆に行います(右上の写真)。
④頸部回旋
回旋の場合は側頭部を両手で軽く把持し、鼻の先が両側の肩を結ぶ線へ平行に回旋させます。両手で頭部を挟むため、きつくならないように指先の力を抜いて行う事が大事です。
上記①~④は頸部の関節可動域練習の簡単な一例です。関節可動域練習は、リラクセーション効果やストレッチ効果もある為、ゆっくり痛みの伴わない範囲での運動が原則です。関節可動域練習では関節が可動する最大の場所(角度)で少し保持(そのまま止める)することも有効です。
ぜひ、一度痛みの伴わない範囲で試してみてください。前回も話しましたが、関節拘縮は予防が大事です。関節拘縮が起こりやすい状態(無動)にならないように寝たきりや不泌要な安静は、なくしていきましょう。
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